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工藤会トップに脱税の有罪判決  “上納金”に初めてのメス
  傘下組織から集めた上納金を巡り約3億円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われている特定危険指定暴力団「工藤会」(本部・北九州市)トップの野村悟被告に対する判決が7月18日に福岡地裁であり、所得税法違反で懲役3年、罰金8千万円(求刑懲役4年、罰金1億円)の実刑が言い渡された。上納金を巡りトップ個人に脱税の有罪判決が下されたのは異例のこと。弁護側は控訴する意向を示した。
 野村被告は、地元の企業や飲食店から得たみかじめ料や違法薬物の密売で得た収入を、傘下組織の幹部らを通して運営費名目で納めさせ、そのうち約500万円を親族らの口座に送っていた。2010年から14年に集められた上納金のうち、約8億9000万円を個人の収入として得たにもかかわらず税務署に申告せず、約3億1900万円を脱税した罪に問われていた。これに対し野村被告は、「口座の金は全て工藤会のものであり、個人の所得ではない」と主張していた。
 足立勉裁判長は判決で、野村被告の親族らが所有する複数の口座に、ほぼ同時刻に一定の額が定期的に入金されていたことを指摘し、「上納金が野村被告個人と工藤会のものに分けられていた」とする元幹部の供述に整合するとした。また一部の口座からの出金や親族の生活費や交際相手のマンション購入費に充てられていたことなどを踏まえ、「(上納金の一部が)実質的に野村被告の雑所得だと認めるほかない」と結論付けた。
 上納金システムは、覚醒剤などの違法収益や、歓楽街の飲食店の経営者から巻き上げたみかじめ料などがいったん配下組織に集められ、それらの金が上納される仕組みだ。その額は1カ月で数千万円に上るとも言われる。
 この上納金について、暴力団が例えば会社であれば、法人税を課せられるだろう。会社でなくても、収益事業が課税対象となる「人格のない社団等」であれば法人税を納めなければならない。しかし暴力団は、そのどちらでもないため、脱税うんぬん以前に、そもそも納税義務がない。
 さらに個人の所得として見ても、上納金を不動産購入や飲食費として私的に使えば個人所得とみなされて所得税が課税されるが、運営経費として使われる限り課税されることはない。これは町内会やPTAが課税されないのと同じだ。ここに裏社会特有の資金の流れの不透明さが重なった結果、暴力団の上納金は長年、国税にとっても簡単に手を出せない“アンタッチャブル”となってきた。
 野村被告が起訴まで持ち込まれたのは、資金管理担当だった組幹部が作成したメモを福岡県警が押収したことで、トップが上納金を私的に流用していた証拠になると判断されたからだ。暴力団トップの所得税法違反を認めた今回の裁判は、暴力団の資金の流れを解明する大きなきっかけとなるかもしれない。