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財産債務調書スタート  狙われる富裕層の資産
  新年はさまざまな税制改正の内容が適用されるタイミングでもあり、前日までとは大きく制度が変わることもあるので気を付けたい。2016年1月1日から始まる新制度といえばマイナンバーが代表格だが、ここでは富裕層に大きく関係する「財産債務調書」制度について、内容をチェックしておきたい。
 一定以上の所得や財産を持つ人が提出を求められる保有資産の目録「財産債務明細書」が、16年から「財産債務調書」と名を変えて再出発する。国税庁が近年の重点施策として掲げる富裕層対策の一環として15年度税制改正に盛り込まれた。これまでの「明細書」より記載内容や提出の強制力を一層高めたものだ。
 従来の「明細書」では、年間の所得が2千万円超の人を対象として、10万円以上の財産や債務の細目や価額などを目録にして確定申告書に添付させるものだった。
 新たな「調書」では、これまで「所得2千万円以上」だった提出対象者が、「所得2千万円以上かつ、財産の価額が3億円以上か金融資産の価額が1億円以上」と狭まることになる。これまでは提出対象となっていても、今後は提出不要となるケースもあり得るわけだ。ただし提出対象者となったときには、「明細書」より、さらに具体的な資産の内容を記載せねばならない。これまでは「財産の種類、数量および金額」を記載すればよかったが、調書では、不動産、現金、預貯金、有価証券、貸付金などに加え、書画骨とうなどの美術品や貴金属類、リゾート施設の会員権なども対象となる。それぞれの財産について、事業用か否か、不動産の面積や戸数、有価証券の銘柄、価額、所在、などを詳細に記載しなければならない。株式や有価証券など利益がまだ実現していない財産については、見積価額として12月31日に決済したものとみなして算出する。その際に含み損があれば、ほかの財産との通算額から差し引くことができるという。記載を求められる内容がより詳しくなることで、これまでよりも具体的に、国が富裕層の資産状況を把握するようになるわけだ。
 またこれまでの「明細書」は誤記載や未提出に対しての罰則規定などがないことから、対象となっていても「提出したことがない」という人が多かった。そこで「調書」では提出率を高めるため、記載した財産について過少申告があった時に過少申告加算税を5%軽減し、逆に提出していなかった場合や記載されていなかった場合には5%加算するという特例措置が盛り込まれている。「アメとムチ」で提出率をアップさせようというのが狙いだ。
 財産債務調書の初回の提出期限は16年の3月15日だ。きたる確定申告期には、15年12月31日時点での財産状況について報告を求められることになるので注意したい。
 国税庁は近年、「富裕層」と「国外財産」を課題として挙げている。新たに始まる国外財産調書制度もその一つで、14年から始まった海外に保有する資産についての報告を義務付ける「国外財産調書」制度や、国外への資産移動を捕捉する「国外送金等調書」などと合わせて、富裕層の持つ資産への監視が強まっているのは明らかだ。こうした富裕層包囲網は16年から始まるマイナンバー制度なども組み合わせ、今後さらに厳しいものとなっていくことも予想される。新たな税制に対応した資産計画を立てる重要性がより増していくことは間違いない。