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軽減税率 検討委員会設置  与党間に溝で難航必至
  生活必需品の消費税率を抑える軽減税率の導入をめぐり、自民、公明両党は税制協議会(会長・野田毅自民党税制調査会長)の下に具体的な制度を検討する委員会を設置することを決めた。2月上旬に初会合を開く。焦点は対象となる品目の選定や実際に納税する事業者の経理負担に対する配慮など。今秋をめどに制度案をまとめる。
 軽減税率について、自公両党は昨年末の総選挙公約や税制改正大綱の中で「消費税率10%時の導入」「17年度からの導入を目指す」との方針を明記してきた。
 検討委員会は軽減税率導入に向けた具体的な制度設計を進める場となり、委員長には野田税調会長、副委員長には公明党の斉藤鉄夫税調会長が就任。自民党の額賀福志郎税調小委員長や公明党の北側一雄副代表ら両党の税調幹部計8人がメンバーとなった。
 同協議会は昨年6月、飲食料品を対象にした場合の案を公表し、「全ての飲食料品」から「精米のみ」までの8案を示した。ただ、政府・与党内には新聞や書籍など飲食料品以外も対象にすべきだとの声がくすぶっており、委員会では対象品目の選定をさらに進めていく。
 軽減税率をすべての飲食良品に適用すると消費税率1%あたり最大6600億円の税収が減ると試算され、安定財源をどう確保するのかも課題となる。スーパーなどの事業者の区別経理に混乱を招かない措置も検討する。
 軽減税率の導入に積極的な公明党は検討会の結論を受けて秋の臨時国会にも関連法案を提出したい考えだが、自民党内には慎重論が根強く、法案を提出できる時期は見通せない。もともと軽減税率は消費税を10%に引き上げる際の低所得者への負担軽減策として検討が始まったが、適用範囲を広く設けたい公明党と税収減を抑えるために適用範囲を絞り込みたい自民党との主張にはなお隔たりがあり、議論は波乱含みとなりそうだ。