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個人事業主の「交際費」  取引先の冠婚葬祭での支出について
  平成25年税制改正により、中小企業の交際費の上限額は年間600万円から800万円に引き上げられた。拡充によって、企業活動の強化のために交際費をどのように有効活用するかが中小企業経営の課題の一つになっている。
 ところで、個人事業主には交際費の限度額はない。明確な基準がないにせよ、「利益を生むための支出である」ことがポイントになる。取引先とはもちろん、仕事に有益な情報を持つ人との会食であっても費用は交際費として認められる。
 また、仕事を通して出会った人の冠婚葬祭にやむを得ず出席することもある。その時に支出した御祝儀や香典なども、事業に関係する支出として交際費に含むことができる。その際、通常の領収書がもらえない場合は、事実を客観的に証明できる材料を揃えておくことが大切だ。支払先、金額、理由などを明記したものや、当日の案内状なども添付しておけば税務署からの追及があっても安心だ。
 ところで、法人の中には家賃補助、健康診断、財形貯蓄制度、社員旅行などの「福利厚生」があるが、福利厚生は雇用主が従業員やその家族の健康や生活を向上させることを目的としており、結果的に両者に利益をもたらすという概念がある。一般的に個人事業主にはこの概念がないという。健康を害せば業務に差し障りがあるのは個人事業主といえども同じだ。健康のために通うスポーツジムの費用を福利厚生費として処理したいところだ。社員旅行と称したものでも、「プライベート」との線引きが曖昧だとして、税務署に証明するのは難しい。
 個人事業主で、夫婦で事業を行う青色事業専従者が、「一般企業の慰安旅行と変わらない」として、旅行費用を福利厚生費として処理したが認められなかったケースでも、実際には子どもが参加していたことに加えて、旅行が毎年実施されていた点から一般的な家族旅行と判断を下されたというものだった。