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土地を現物出資  借金の担保だったら
  景気低迷が続く中でも、あえて増資を行う企業は後を絶たない。事業拡大、資金調達、株主構成の見直しなど、増資の目的はさまざまだ。もちろん中小企業でも、資本金を大きくして会社の信用度を上げるためなど、前向きな理由で増資を行うケースは少なくない。
 ところで、増資をするにあたって「現物出資」という方法を選択するケースが近年増加してきた。
 かつては出資した現物の評価について必ず裁判所が選任した検査役による検査を受けなければならなかったが、平成15年の商法改正によって、弁護士・公認会計士・税理士からの証明があれば検査を受ける必要がなくなったためだ。
 現物出資の対象とするモノは、一般に有価証券や土地などが多いが、個人が法人に現物出資した場合も資産の譲渡になり、所得税の課税対象とされる。この場合の譲渡収入金額は出資した不動産の時価ではなく、現物出資により取得した株式や出資持分の時価。ただし、その価額が出資した不動産の時価の2分の1未満の場合は、出資した不動産の時価が収入金額とみなされる。
 譲渡所得計算の際、注意しなければならないのが、現物出資したものが借金の担保に入っている場合。例えば、2千万円の借金の担保となっている時価5千万円の土地を、社長が会社に現物出資するケース。2千万円の借金ごと会社が引き受けた場合、株式は借金の2千万円を差し引いて3千万円分を発行することになるが、だからといって譲渡所得の計算上、収入金額を3千万円としてしまうのは間違いだ。社長には2千万円の債務消滅という経済的利益が発生しているため、譲渡収入金額は5千万円ということになる。