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続発する自然災害 税制優遇活用して被災者支援 |
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国内外で自然災害が相次いでいるなかで、被災地や関係者に支援の手を差し伸べたいと考える中小企業経営者も多いはずだ。事業者による被災地への寄付や取引先への救済には、税務上で手厚い優遇措置が用意されている。
まず、企業が被災地に対して金銭を寄付する際の取り扱いだ。法人が支出する寄付金は、通常であれば資本金や所得の金額に応じて計算される一定限度額までしか損金として算入することができない。しかし、被災した地方自治体に対して直接寄付する災害見舞金や、日本赤十字社や中央共同募金会などを通じて最終的に被災地方自治体に拠出される災害義援金は、「国等に対する寄付金」または「指定寄付金」に該当し、その全額を無制限に損金算入できる。寄付をした分だけ法人税負担が軽減されるため、税負担を気にすることなく思い切った額の支援が可能となる。
海外の被災地を支援する場合には、国内とは異なる税務上・実務上の壁に注意したい。現地の政府やNGOへ直接海外送金で寄付した場合、日本の税法上は単なる「一般の寄付金」として扱われ、損金算入できる限度額が低く抑えられてしまう。加えて、外国語の領収書に日本語の翻訳や説明を添付する手間や、為替処理といった経理負担も生じる。しかし、日本赤十字社などが受け付ける救援金のうち財務大臣が指定したものを経由すれば、国内と同様に「指定寄付金」として全額損金算入が可能だ。また、現地で活動する日本の認定NPO法人を通じた寄付でも別枠の特別損金算入限度額が使えることがある。
不特定多数への寄付ではなく、取引先が被災した場合の直接的な支援についても、税務上の柔軟な取り扱いが認められている。通常、得意先に対して見舞金などを拠出すると、交際費等とみなされ、原則として損金に算入できないか、寄付金として限度額計算の対象となる。しかし、被災した取引先に対して、その復旧を支援する目的で支出する災害見舞金については、交際費等や寄付金からは除外され、全額を事業上の損金として処理することが認められている。取引先の復旧は自社の事業継続やサプライチェーンの維持に直結するものであり、単なる接待や贈答とは明確に性質が異なることが理由だ。
この取引先支援の特例は、現金の給付に限らない。被災した取引先に対して自社製品や救援物資を無償で提供した際の費用、取引先が被災したことによって生じた売掛金や貸付金を免除した際の損失、さらには復旧資金を低利または無利息で融通した際の利息の減免分なども、復旧を目的とした合理的なものである限り、寄付金などには該当せず損金として認められる。
このように、税制では、被災地やサプライチェーンの救済に乗り出す企業を積極的に後押しすることが認められている。ただし、これらの優遇措置を適用して税務調査で否認されないためには、客観的な証拠の保存が不可欠であることも覚えておきたい。義援金を振り込んだ際の受領書や振込明細書、認定NPO法人の領収書などは確実に保管しておく必要があるだろう。また、取引先に対する見舞金や債権放棄についても、相手方が被災した事実を示す資料や復旧支援を目的とした合意書、自社の社内稟議書などを文書として残しておくことが重要だ。
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