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外国通貨同士の交換で得た為替差益 最高裁「課税対象になる」と初判断 |
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外国通貨を別の外貨に交換した際に生じた「為替差益」は課税対象の所得となるのかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)はこのほど、「課税対象になる」との初判断を示した。国税当局の実務に沿った判断だといえる。課税した国税側の勝訴が確定した。日本円に戻さなくても、別の外貨を取得した時点で収入の権利が確定すると結論付けた。審理した裁判官5人全員一致の意見。
判決によると、原告は2014年、スイスの銀行の口座に105億円を預けて運用を一任。銀行はこれを外貨に替え、さらに別の外貨などに交換した。東京国税局は18年、円安の進行などで為替差益が生じているのに、原告が所得を申告していなかったと指摘。14、15年分の所得について約9億3千万円の申告漏れがあったと判断した。
原告は銀行に一任していた取引での所得はないという認識で確定申告した。だが、国税当局は為替差益が「雑所得」に当たると判断し追徴課税した。原告は20年、課税処分の取り消しを求めて提訴。「取引後も、円に払い戻すまでは為替相場の変動リスクが残っており、最終的な利益は確定しない」と主張し、課税は違法だとして訴えた。
最高裁は、「日本円との関係で為替相場が変動する外貨は、外貨同士の取引が行われた時点で経済的価値が固定化」されると判示し、円換算額が所得税法の「収入すべき金額」になると指摘。円換算額から経費相当分を控除した金額が所得に当たるとする初判断を示し、原告側の上告を棄却した。一審、二審での判決も、国税側の更正処分は適法として原告側の請求を退けており、国税側の勝訴が確定した。
ただし、林裁判長ら3人は共同の補足意見で、今回の判決は為替差益の課税に明文規定がない現行法を前提とした「解釈論にとどまる」と言及。「租税法律主義の観点から望ましい状況とは考えられないし、日本の租税政策に対する国際社会からの信頼を損なう現象が出てくる可能性も否定できない。必要な法的手当てを講じていくことが強く望まれる」と付言した。
外貨建てした金融資産を日本円に払い戻した際には、差益に課税されるのが一般的だが、外貨同士の取引の場合は明確な基準がない。所得税法には、為替差益の課税時期を具体的に定めた規定がないため、課税の是非が争われる事案が増えている。国税当局は課税対象とする運用を続けており、実務を追認する司法判断になったといえる。
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