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長野県のふるさと納税  返礼品なしで住民サービス向上へ
  ふるさと納税の返礼品競争はとどまることを知らない。その一方で長野県は、返礼品なしで寄付を募る新たな取り組みを始めた。県直営のふるさと納税受け付けサイト「ガチなが」が、4月3日に開設された。大手仲介業者への委託費用などをなくしてその分を本来還元されるはずだった住民サービスに充てる。県によると全国初の取り組みだという。
 「ガチなが」によると、返礼品代や配送料、業者への委託費などの事務経費は寄付総額の約半分に上り、その分住民サービスに充てられる金額が減っているという。こうした課題を解決するために、「ガチなが」では返礼品なしで寄付金の使い道により寄付先を選んでもらい、寄付者がともに事業を「共創」するような仕組みを目指す。
 サイトでは、伝統工芸の支援や自然・環境保護、教育支援や人材育成など10種類の事業が示されており、その中から寄付先を選ぶ。寄付者が事業へのアイデアや意見、応援メッセージを投稿でき、寄付金が使われた事業の成果を動画や写真で発信していく仕組みも導入する。
 「ガチなが」の名称は「ガチ(本気)で長野県をよくしたい」という寄付者の思いに応える場にしたいとの期待からだという。
 ただ、地元の特産品を返礼品とした従来のふるさと納税の取り組みも続ける。県内産業の需要喚起につながるとして、事業者に委託している別サイトでの寄付金の受け付けが継続される。
 ふるさと納税制度によって税収の流出が著しい都市部では返礼品競争が過熱化する動きもある中で、長野県の試みが歯止めになりうるのか。注目が集まる。